口腔外科は、歯、口腔（お口の中）、あご、顔面、さらには隣接組織のさまざまな症状に対応する診療科目です。口腔粘膜疾患や口臭などの内科的疾患、交通事故による外傷や顎変形症といった、外科的疾患などの治療を行います。
お口やあご、顔面に異常があると、審美面を損なうだけでなく、食事や会話などの機能面も損なわれます。口腔外科では、診査・診断により患者さまの状態を正しく把握し、自然な形態や機能を回復できるように、適した治療を行います。そして治療を通して、健康的な美しさを取り戻すことを目指します。

舌痛症とは、舌の表面に痛みや違和感といった症状が出るものの、原因となる病気が特に見当たらない状態のことです。舌痛症になってしまう場合、ストレスや情緒的葛藤、心理社会的な問題など、心因性の要因が原因になりやすいと考えられています。また、ビタミンB欠乏症やカンジダ症、ドライマウス、薬の副作用、さらにはガンなどが原因になる可能性もあります。
舌痛症は舌に痛みがありますが、痛み止めや神経ブロック注射などによる治療よりも、抗うつ薬の服用が効果的であると考えられています。ただし、副作用もあるため、近年ではSSRI（選択的セロトニン再取り込み阻害剤）、SNRI（選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤）など、副作用の少ない薬を使用するケースが増えています。SSRIやSNRIは、神経伝達物質を増加させる働きがあり、それらの物質が、脊髄から痛覚情報を伝える神経伝達を抑制します。そのため、舌痛症による痛みに効果的です。
また、痛みへの不安や恐怖、舌痛症の背後にあるガンなどの病気や生活上のストレスを和らげるため、薬物療法や心理療法なども有効です。